vol.1 大八木智子さん (フリーライター)

交通事故の衝撃から守るため、2000年春から6歳未満の乳幼児に着用が義務付けられたチャイルドシート。わが家には1歳の子どもがいるため、車の後部座席にベビーシート(乳児用のチャイルドシート)を後ろ向きでつけています(写真)。

ただ、大声では言えませんが、最近息子がベビーシートを嫌がって大泣きし、何度も這い出ようとするので、車で家族一緒に出かける時は、子どもをひざの上に抱っこしてしまうことが増えました。時には寝ている息子を抱きながら、そのまま私もウトウト・・・なんてことも。これって本当はすごく危険ですよね。

聞くところによると、時速40kmで車が衝突した場合、体重10kgの子どもには約30倍もの力(300kg)が加わるそうです。子どもをひざの上でしっかり抱いていたとしても、さすがに腕力だけでは支えきれません。子どもが車外に投げ出されてしまう危険性もあるようです。「両手でちゃんと抱えていれば大丈夫」なんて思っていましたが、自分の考えが甘かったことに気付きました。

2005年に実施された「チャイルドシート使用状況についての全国調査」(*)をみると、1歳未満の乳児の使用率は73.6%とそれなりに高いのですが、1歳以上の幼児になると使用率はガクンと下がっています。1歳〜4歳の使用率は48.8%、5歳は30.4%と、半数以上の子どもたちがチャイルドシートを使用していないことがわかりました。なぜ年齢が上がるにつれ、使わなくなってしまうのでしょうか?

まず考えられるのは、うちの息子と同じように「子どもが泣いて嫌がるから」。年齢が上がるにつれ泣き声もパワーアップするので、ついチャイルドシートをはずしてしまう親御さんが多いのではないでしょうか。その他、「子どもはもう一人で座れるし、ちょっとそこまでだから」「子どもが助手席に座りたがるから」なんて理由もあると思います。「ベビーシートからチャイルドシートへの買い換えが面倒」「買い換えにお金がかかる」という人もいるでしょう。

ここで注目して欲しいのですが、2004年に起きた交通事故の死傷者数をみてみると、チャイルドシートを使用していなかった子どもが亡くなる確率は、使用していた子どもの約4.1倍、死亡・重傷化する確率は約2.2倍でした。つまりチャイルドシートを使っていたら、交通事故にあっても亡くならず、軽傷で済んだかもしれないのです。きちんとチャイルドシートを装着していれば、わが子の命を救えたのに・・・。そんな状況になったら、悔やんでも悔やみきれないですよね。

そうは言っても、子どもがチャイルドシートを嫌がって泣いている時、運転に集中するのはなかなか難しく、後部座席で泣いている子どもの隣にずっと座るのもツライですよね。何か良い手はないか先輩ママ・パパに相談してみると、子どもをきちんとチャイルドシートに座らせるため、こんな工夫をしていると教えてくれました。

たとえば・・・
★車中では子どものお気に入りの曲を流し、楽しい気分を演出する
★チャイルドシートを家の中に置き、普段から子どもに慣れさせる
★ときどき車を停めて休憩をとり、子どもを飽きさせないようにする


など、など。さすが先輩! 良いアイデアです。皆さんは何か工夫されていますか?

息子の体重は9キロを超えたので、わが家はそろそろベビーシートから幼児用のチャイルドシートへ買い替える時期に来ています。数万円の出費はちょっと痛いですが、子どもの安全を考えれば仕方のないこと。車中では息子の大好きな「アルゴリズムたいそう」の歌を流しながら、もう一度チャイルドシートの習慣づけにトライしてみようと思います。

(*)警察庁と社団法人日本自動車連盟(JAF)が実施。対象は全国104箇所13,036人の乳幼児
URL   http://www.npa.go.jp/koutsuu/kikaku48/child.pdf
profile〜Tomoko OYAGI〜
大八木智子
銀行系シンクタンクを経て、フリーライターに。 現在は高齢者介護、子どもの安全、くらしに 役立つ情報などを、WEB、新聞、広報誌等に執筆中。 犬とアンパンマンが大好きな1歳男児の母でもある。
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子供の安全 〜水の事故(屋外編)〜

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